遅いWiFiの原因とスピードテストでの判断方法・改善策
WiFiが遅いと感じたときは、スピードテストで下り・上り・Pingを確認し、回線、ルーター、電波、端末のどこに原因があるかを切り分けることが重要です。症状別の判断方法と改善策を解説します。
WiFiで動画が止まる、Webページの表示に時間がかかる、オンライン会議の音声が途切れる場合は、通信速度や遅延に問題がある可能性があります。ただし、WiFiが遅い原因は光回線そのものとは限りません。ルーターの性能、電波環境、接続端末、プロバイダー側の混雑などを順番に確認する必要があります。
まずスピードテストで症状を数値化する
最初に、同じ端末で複数回のスピードテストを行います。確認する項目は、データを受信する速度である下り、送信する速度である上り、通信相手との応答時間を示すPingです。測定時は大容量ダウンロードや動画再生を停止し、できればルーターの近くで測定します。
- 下りが遅い:動画視聴、Web閲覧、ファイル受信に影響します。
- 上りが遅い:オンライン会議、写真の送信、クラウドへの保存に影響します。
- Pingが大きい:ゲームや通話で遅延、操作のずれ、音声の遅れが起きやすくなります。
ルーターの近くでは速度が出るのに離れると遅くなる場合は、WiFi環境の問題が疑われます。どの場所でも遅い場合は、光回線、プロバイダー、ルーター、端末の状態をさらに切り分けます。
原因1:ルーターから距離がある、または電波が遮られている
WiFiの電波は、ルーターから離れるほど弱くなります。壁、床、扉、家具などの障害物が多い場所や、鉄筋コンクリートの建物では、電波が弱くなってスピードテストの結果も低下します。特に家の端の部屋や階をまたいだ場所でだけ遅い場合は、この原因が有力です。
判断方法
ルーターの近くと、普段利用する場所で同じ時間帯に測定します。近くでは下り速度が十分なのに利用場所で大きく低下するなら、回線よりも電波の届き方を確認します。
改善策
ルーターを床置きせず、家の中央に近い見通しのよい場所へ移動します。棚の中、テレビ台の裏、水槽の近く、金属製の収納付近は避けてください。広い住宅では、メッシュWiFiや中継機の導入も選択肢になります。
原因2:2.4GHz帯の電波干渉が起きている
2.4GHz帯は壁を通りやすい一方、近隣のWiFi、Bluetooth機器、電子レンジなどと干渉しやすい周波数帯です。周囲のアクセスポイントが多い集合住宅では、電波強度が表示されていても実効速度が下がることがあります。
判断方法
5GHz帯に対応したルーターと端末がある場合は、5GHzへ接続して速度を比較します。5GHzで改善するなら、2.4GHz帯の混雑や干渉が原因と考えられます。ただし、5GHzは壁や距離の影響を受けやすいため、利用場所とのバランスが必要です。
改善策
ルーターの自動チャンネル設定を確認し、必要に応じて混雑の少ないチャンネルを選びます。近距離では5GHz帯を使い、離れた部屋では2.4GHz帯やメッシュWiFiを使い分けます。電子レンジの使用中だけ遅くなる場合は、ルーターとの距離を離してください。
原因3:ルーターの性能不足や動作不安定
古いルーターは、新しいWiFi規格や複数端末の同時通信に対応できず、速度が伸びないことがあります。長期間の連続稼働による一時的な不具合、発熱、ファームウェアの問題によって通信が不安定になる場合もあります。
判断方法
接続端末が少ない時間にルーターを再起動し、その前後でスピードテストを比較します。再起動直後だけ改善する場合や、複数端末を接続したときだけ遅くなる場合は、ルーターの処理能力や状態を確認します。
改善策
ルーターのファームウェアを更新し、通気口をふさがないように設置します。WiFi 5やWiFi 6など、端末と光回線の利用状況に合う規格のルーターへ交換することも有効です。交換時は、契約回線の最大通信速度に対応しているかを確認してください。
原因4:接続端末やバックグラウンド通信の影響
スマートフォン、パソコン、テレビ、ゲーム機、IoT機器などが同時に通信すると、利用可能な帯域を分け合うことになります。端末でOS更新、クラウド同期、動画のアップロード、セキュリティスキャンが動作している場合も、体感速度が低下します。
判断方法
不要な端末のWiFi接続を一時的に切り、速度を測定します。特定のパソコンやスマートフォンだけ遅い場合は、その端末のアプリ、OS、WiFiドライバー、保存容量などを確認します。別の端末で問題が再現しないなら、回線全体の問題とは限りません。
改善策
使っていない端末の接続を減らし、大容量通信の時間をずらします。パソコンではバックグラウンドの同期や更新を確認し、必要に応じて再起動します。重要な端末は、可能であればLANケーブルで接続するとWiFiの混雑を抑えられます。
原因5:光回線やプロバイダーの混雑
夜間や休日など、利用者が増える時間帯だけ下り速度が大きく低下する場合は、光回線設備やプロバイダーの混雑が考えられます。WiFiの電波が十分でも、インターネット側の経路が混雑していればスピードテストの結果は遅くなります。
判断方法
朝、昼、夜など時間帯を変えて測定し、速度の変化を記録します。ルーターの近くで測定しても夜間だけ遅く、有線LAN接続でも同じ傾向が出るなら、WiFi以外の要因を疑います。複数の測定サーバーで結果が異なる場合は、経路やサーバー側の混雑も考慮します。
改善策
契約している光回線やプロバイダーの障害情報、メンテナンス情報を確認します。IPv6接続やIPoE方式に対応している契約では、利用条件を確認したうえで接続方式の変更を検討できます。改善しない場合は、測定日時、下り、上り、Pingの記録を用意してサポートへ相談します。
原因6:光回線や宅内配線に問題がある
有線LANでも速度が遅い場合は、WiFiではなく光回線終端装置、ホームゲートウェイ、LANケーブル、回線契約などに原因がある可能性があります。LANケーブルの規格が古い場合や、機器のリンク速度が低い場合も、本来の通信速度を活かせません。
判断方法
対応するLANケーブルでパソコンをルーターへ直接接続し、WiFiと同じ条件で測定します。有線接続でも遅い場合は、ケーブルを交換し、機器のランプ状態や接続速度を確認します。これでも改善しなければ、回線設備や契約内容を確認します。
改善策
必要な速度に対応したLANケーブルを使用し、ケーブルの折れや端子の緩みを確認します。光回線終端装置とルーターを再起動しても改善しない場合は、回線事業者やプロバイダーへ問い合わせます。NTT、ドコモ、au、ソフトバンクなどのサービスを利用している場合も、契約先の案内に従って確認してください。
スピードテストの結果から原因を切り分ける手順
- 同じ端末で、ルーターの近くと普段使う場所を測定します。
- 2.4GHz帯と5GHz帯を切り替えて、下り、上り、Pingを比較します。
- 接続端末やバックグラウンド通信を減らして再測定します。
- LANケーブルで有線接続し、WiFiとの差を確認します。
- 朝と夜など時間帯を変えて測定し、混雑の影響を記録します。
測定結果は一度の数値だけで判断せず、日時、接続方式、端末、場所を記録してください。動画視聴やオンライン会議など、実際に困っているサービスの利用状況と照らし合わせると、必要な改善策を選びやすくなります。
改善しても遅いときの確認ポイント
ルーターの移動、再起動、周波数帯の変更、有線接続の確認を行っても遅い場合は、回線事業者やプロバイダーの障害情報を確認します。通信障害がない場合は、契約プラン、接続方式、機器の対応速度を問い合わせます。
なお、スピードテストの速度が高くても、Pingや遅延が大きければオンラインゲームやビデオ会議で問題が起きることがあります。用途に応じて下りだけでなく、上り、Ping、接続の安定性も確認することが重要です。
