ルーターのLAN内速度測定が遅い原因と切り分け方

ルーターのLAN内速度測定で遅い結果が出る場合、光回線やプロバイダーではなく、LANポート、ケーブル、Wi-Fi干渉、端末性能、測定方法が原因のことがあります。現象の見方、原因の切り分け、改善手順を整理します。

公開日 2026-07-07 最終更新 2026-07-07 カテゴリ:ガイド

ルーターのLAN内速度測定で起きる主な現象

ルーターのLAN内速度測定では、インターネットの下りや上りではなく、自宅やオフィス内の端末同士、または端末とルーター間の通信性能を確認します。光回線の契約が高速でも、LAN内の実測が100Mbps前後で止まる、Wi-Fiだけ極端に遅い、Pingは低いのにファイル転送が伸びない、といった現象が起きることがあります。

この測定結果が遅い場合、原因はプロバイダーやNTT、ドコモ、au、ソフトバンクなどの回線側だけとは限りません。むしろLAN内速度では、ルーター、LANケーブル、Wi-Fi環境、端末性能、測定手順の影響が大きく出ます。

原因1: 有線LANポートやケーブル規格の上限

有線接続で100Mbps前後に張り付く場合、ルーターやパソコンのLANポートが100BASE-TXで接続されている、またはLANケーブルが劣化して1Gbpsでリンクできていない可能性があります。特に古いルーター、古いハブ、カテゴリ不明のケーブルを経由している環境ではよく見られます。

判断方法は、端末のネットワーク設定画面でリンク速度を確認することです。1Gbps対応機器同士なら通常は1.0Gbpsと表示されます。100Mbpsと表示される場合は、ケーブル交換、別ポートへの差し替え、ハブを外した直結テストで原因を絞り込めます。

原因2: Wi-Fiの電波干渉と接続方式

Wi-Fiで測るとLAN内速度が不安定になる場合、2.4GHz帯の混雑、隣家のアクセスポイント、電子レンジ、Bluetooth機器、壁や床による減衰が影響していることがあります。下りや上りの速度だけでなく、Pingや遅延の揺れも大きくなりやすいです。

判断方法は、有線LANで測った結果とWi-Fiで測った結果を比較することです。有線では速く、Wi-Fiだけ遅い場合は電波環境が主因です。5GHz帯や6GHz帯に切り替える、ルーターの設置場所を高く開けた場所に移す、端末とルーターの距離を短くすることで改善することがあります。

原因3: ルーターの処理性能や設定

複数端末が同時に通信していると、ルーターのCPU性能、NAT処理、QoS、セキュリティ機能、メッシュWi-Fiの中継構成がLAN内速度に影響します。古いルーターでは、Wi-Fi規格が新しく見えても実際の処理能力が足りず、速度測定時に頭打ちになることがあります。

判断方法は、他の端末の通信を止めた状態で再測定し、ルーターの管理画面で接続台数やCPU使用率に近い情報を確認することです。不要なQoSや帯域制御を一時的に無効化し、ファームウェアを更新してから再測定すると、設定由来か機器性能由来かを見分けやすくなります。

原因4: 測定端末側の性能不足

LAN内速度測定はルーターだけでなく、測定に使うスマートフォン、パソコン、NASの性能にも左右されます。古いWi-Fiアダプター、低速なストレージ、省電力設定、バックグラウンド通信、ウイルス対策ソフトのスキャンがあると、本来のLAN速度より低く表示されます。

判断方法は、別の端末で同じ条件の測定を行うことです。新しい端末では速く、特定の端末だけ遅い場合は端末側の無線規格、ドライバー、ストレージ、CPU負荷を確認します。ノートパソコンでは電源接続時とバッテリー駆動時で結果が変わることもあります。

原因5: 測定方法とサーバー選びのズレ

インターネット向けの速度測定サイトだけを使うと、LAN内の速度ではなく、光回線、プロバイダー、測定サーバーまでの経路を含んだ結果になります。そのため、ルーターのLAN内速度測定をしたつもりでも、実際には外部回線の混雑や測定先サーバーの状態を見ていることがあります。

判断方法は、LAN内の2台の端末間で測るツールや、NASへのファイル転送など、外部インターネットを通らない方法を使うことです。外部の速度測定では下り、上り、Pingを確認し、LAN内測定では端末間転送速度と遅延を分けて考えると、問題の場所を誤認しにくくなります。

LAN内速度と光回線速度の切り分け方

まず有線LANでルーターに近い端末を接続し、LAN内の端末間速度を確認します。ここで十分な速度が出るなら、ルーター内部やLANケーブルの基本性能は大きな問題ではない可能性があります。次にWi-Fiで同じ測定を行い、差が大きければ無線環境を重点的に見ます。

LAN内は速いのにインターネットの下りや上りが遅い場合は、光回線、プロバイダー、IPv4 over IPv6設定、時間帯の混雑、測定サーバーまでの経路を確認します。逆にLAN内から遅い場合は、回線契約を見直す前にルーター、ケーブル、Wi-Fi、端末を確認するほうが効率的です。

改善するための実践チェック

  • 有線LANのリンク速度が1Gbps以上で認識されているか確認する
  • カテゴリ5e以上のLANケーブルに交換して再測定する
  • Wi-Fiは2.4GHzだけでなく5GHzまたは6GHzでも試す
  • ルーターを床や棚の奥ではなく、見通しのよい場所に置く
  • ルーターのファームウェアと端末の無線ドライバーを更新する
  • 測定時は動画視聴、クラウド同期、ゲームのダウンロードを一時停止する

測定結果を見るときの注意点

ルーターのLAN内速度測定では、1回だけの結果で判断せず、時間帯、接続方式、端末、設置場所を変えて複数回測ることが重要です。平均値だけでなく、Pingの安定性や遅延のばらつきも見ると、体感の遅さに近い原因を見つけやすくなります。

家庭内でオンライン会議、動画視聴、ゲーム、NAS転送を同時に使う場合は、最大速度だけでなく安定性も重要です。数値が少し低くてもPingが安定していれば快適に使えることがあり、逆に速度が高くても遅延が大きいと体感は悪くなります。