ms単位の速度テストで遅延が大きい原因と改善方法

ms単位の速度テストで数値が大きくなる現象について、Pingと遅延の関係、Wi-Fiやルーター、回線混雑、プロバイダー、接続先サーバーなどの原因を整理し、切り分けと改善の手順を解説します。

公開日 2026-07-27 最終更新 2026-07-27 カテゴリ:ガイド

ms単位の速度テストで表示される数値は、通信の応答にかかる時間を示すPing値や遅延です。数値が小さいほど、Webページの表示、オンラインゲーム、ビデオ会議などで操作から応答までの時間が短くなります。

下りや上りの通信速度が十分でも、Pingが高いと通信が遅く感じる場合があります。これは、データを大量に転送する速度と、データが往復する時間が別の指標だからです。

ms単位の速度テストで分かること

速度テストでは、一般に下り、上り、Ping、ジッターなどを確認できます。下りはデータを受信する速度、上りはデータを送信する速度です。Pingはテスト端末から測定サーバーまでの応答時間をmsで表します。

  • 低いPing値:操作に対する反応が速く、リアルタイム通信に向いています。
  • 高いPing値:操作から応答までに間があり、ゲームや通話で遅延を感じやすくなります。
  • ジッターが大きい:通信のタイミングが不安定で、音声や映像が乱れることがあります。

目安として、同じ地域のサーバーに対して数msから20ms程度なら低遅延、50ms前後では用途によって差を感じる可能性があり、100msを超えるとリアルタイム通信で遅延が目立ちやすくなります。ただし、測定場所やサーバーとの距離によって結果は変わります。

原因1:Wi-Fiの電波干渉や距離

Wi-Fi接続では、ルーターと端末の距離、壁や床、家電製品による電波干渉が遅延の原因になります。特に2.4GHz帯は遠くまで届きやすい一方、周囲の無線LANやBluetooth機器と干渉しやすく、Ping値やジッターが不安定になることがあります。

同じ場所で有線接続のPingが低く、Wi-Fiだけ数値が大きい場合は、回線そのものより無線環境を疑います。ルーターの近くで測定し、5GHz帯または6GHz帯へ切り替えて結果を比較すると判断しやすくなります。

原因2:ルーターの処理負荷や設定

ルーターに多数の端末が接続されている場合、動画視聴、クラウド同期、ゲーム更新などの通信処理が重なり、応答が遅くなることがあります。古いルーターでは、複数端末を同時に扱う性能が不足し、速度だけでなく遅延も不安定になる場合があります。

ルーターを再起動した直後だけ改善するなら、一時的な処理負荷やメモリ使用量が影響している可能性があります。ファームウェアを更新し、不要な端末の接続を減らし、必要に応じて混雑時の通信を制御できる機能を確認してください。

原因3:光回線やプロバイダーの混雑

夜間や休日だけms単位の速度テストの数値が高くなる場合は、光回線の設備やプロバイダー側の混雑が考えられます。利用者が増える時間帯には、下り速度の低下だけでなく、Pingやジッターの悪化が起こることがあります。

朝、昼、夜の複数時間帯で同じ条件の測定を行い、時間帯による差を記録してください。時間帯に関係なく遅い場合は宅内環境も確認し、夜間に限定される場合はプロバイダーの障害情報や混雑状況を確認します。接続方式によって経路が変わるため、契約先にIPv6接続やIPoE方式の対応状況を問い合わせる方法もあります。

原因4:測定サーバーとの距離や経路

速度テストで選ばれたサーバーが遠い地域にあると、通信経路が長くなり、Ping値が高く表示されます。下りや上りの速度が良好でも、海外や遠隔地のサーバーを選ぶとms単位の応答時間は大きくなります。

同じ測定サイトで近隣のサーバーと遠方のサーバーを切り替えて比較してください。近隣サーバーでは低く、遠方だけ高いなら、回線品質よりも物理的な距離や経路が主な要因です。利用サービスのサーバー所在地に近い測定結果を重視することが重要です。

原因5:端末のバックグラウンド通信

パソコンやスマートフォンでOS更新、写真のバックアップ、動画のアップロード、オンラインストレージの同期が動作していると、通信帯域が消費されます。特に上り通信が混雑すると、ほかの通信の待ち時間が増え、Ping値が急に上がることがあります。

測定前に不要なアプリや同期処理を停止し、同じ端末で再測定してください。別の端末では問題がない場合は、回線ではなく端末側の通信やセキュリティソフト、VPNの影響を確認します。

原因6:VPNや中継機器による経路の追加

VPNを利用すると、通常の接続にVPNサーバーまでの経路が追加されます。VPNサーバーの場所や混雑によっては、Pingが高くなり、通信経路も不安定になります。企業ネットワーク、マンションの共用設備、中継機器を経由する接続でも同様の影響が出ることがあります。

VPNを一時的に切断して速度テストを行い、数値を比較してください。VPNの有無で大きな差がある場合は、別の接続先を選ぶ、近い地域のVPNサーバーを使う、用途に応じてVPNを分けるといった対策が考えられます。

遅延の原因を判断する測定方法

一度の測定だけでは原因を特定できません。接続方法、時間帯、測定サーバー、使用端末を変えながら、どの条件で遅延が発生するかを確認します。

  1. まずWi-Fiで測定し、次にLANケーブルで同じ端末を測定します。
  2. 朝、昼、夜に同じ測定サーバーでPing、下り、上りを記録します。
  3. 近隣サーバーと遠方サーバーを比較します。
  4. VPN、動画再生、クラウド同期を停止して再測定します。
  5. 複数の端末で結果を比べ、特定端末だけの問題か確認します。

有線でも時間帯を問わず高い場合は、光回線、プロバイダー、地域内の経路を確認します。有線は安定しているのにWi-Fiだけ高い場合は、ルーターの設置場所や無線帯域を優先して見直します。

ms単位の速度テスト結果を改善する方法

  • ルーターを床や収納内部から出し、端末との間に障害物が少ない場所へ移動する。
  • 可能な場合はLANケーブルで接続し、Wi-Fiと結果を比較する。
  • 混雑しにくい5GHz帯または6GHz帯を利用する。
  • ルーターのファームウェアを更新し、不要な接続端末を整理する。
  • バックグラウンド通信、VPN、動画配信を停止してから測定する。
  • 時間帯ごとの記録をもとに、プロバイダーの障害情報や接続方式を確認する。

改善後は、Pingだけでなくジッター、下り、上りも確認してください。数値が改善しても、特定のサービスだけ遅い場合は、そのサービスのサーバー所在地や混雑が影響している可能性があります。速度テストは同じ測定条件で複数回行うと、変化を比較しやすくなります。

まとめ

ms単位の速度テストで遅延が大きい原因は、Wi-Fiの干渉、ルーターの負荷、光回線やプロバイダーの混雑、測定サーバーとの距離、端末の通信、VPNなどに分けて考えられます。有線とWi-Fi、時間帯、サーバーを比較し、条件ごとの差を確認することが切り分けの基本です。